エボラ熱、東アジアは対策強化を=「全世界にリスク」と警告―WHO
時事通信 10月13日(月)23時25分配信
【マニラAFP=時事】
世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は13日、フィリピンで開催されたWHO西太平洋地域の年次会合で演説し、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱が世界的なリスクとなりかねないとして、東アジア・太平洋諸国に対策強化を呼び掛けた。
チャン事務局長は演説で、今回のエボラ熱の感染拡大は「極めて危険なウイルスが、いかにして保健インフラの弱点を突いて広がり得るかを示している」と指摘。
流行を制御できなければ「全世界がリスクにさらされる」と警告した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141013-00000085-jij-int
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4311
日本上陸も秒読み!?
エボラウイルス 米国人看護師感染の意味
「アメリカで広がったら日本にも来るだろう。日本の医療現場で対応できるのか」。
感染症法によれば、日本でエボラ出血熱患者を収容できる特定感染症指定医療機関・第一種感染症指定医療機関は、現在、全国で45施設92床。
そのひとつに勤める医師は、エボラウイルスに対する不安をこう語る。
このような指定を受けた専門の医療機関でも、エボラ出血熱のような、隔離措置を必要とする特殊な感染症の治療にあたった経験のある医療者は、ごくわずかなのだ。
もはやエボラ出血熱は「対岸の火事」ではない
アメリカ・テキサス州の保健当局は10月12日、テキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院の看護師が、エボラウイルス陽性の診断を受けたと発表した。
この看護師は、9月30日にアメリカ初の輸入感染例として報告されたリベリア人男性患者のケアにあたっており、これがアメリカ国内において、エボラ出血熱に感染した初めての症例となる。アメリカは8月より、航空会社や各国の空港検疫と協力し、出国および入国に関する水際対策を開始していた。
しかし、エボラ出血熱は、潜伏期間が最長で21日と長く、「感染はしているが発症はしていない」という患者を検疫のスクリーニングで拾うことはできない。
当初から、エボラがアメリカ国内に入ってくるのは「時間の問題」とも言われており、男性患者が厳しい検疫をすり抜けたことは驚くに足らなかった。
しかし、流行地のアフリカではなく、設備の上でも手順の上でも医療者の感染症防護対策が徹底されているアメリカにおいて、医療者への感染が起きてしまったことは重大な意味を持つ。
米疾病対策センター(CDC)は、今回の看護師の感染例を「ある時点でプロトコール(手順)違反があった」として例外的であることを強調し、「封じ込めは十分可能である」と自信を見せていた。
しかし、現場の医療者たちから「CDCがガイドラインを出したからと言って、十分な対策が取られているわけではない」と当惑の声が高まる中、日本時間の14日未明、再度会見を行い、「感染は1例であってもあるべきではなかった。対策を再考すべき必要がある」とコメントを修正。
「今後、特に医療者の中から別の感染者が出ても不思議ではない」と発言した。
アメリカではHIVエイズが一般化した1980年代以降、どの患者の血液にもウイルスや細菌が含まれているという前提に立って、医療者は必ず手袋とガウンを着用するという「普遍的予防策(ユニバーサル・プリコーション)」が提唱されてきた。
アメリカの医療現場においては、採血や手術はもちろんのこと、簡単な診察や体位変換などにおいても手袋とガウンは欠かせない。
その後、血液以外の体液に対しても注意を払い、特に感染経路が不明で感染力の高い病原体に接する場合には、マスク、ゴーグル、キャップフットカバーといった防護具で全身を覆う「標準的予防策(スタンダード・プリコーション)」が提唱されるようになった。
一方、日本の医療現場では「手袋をしているとやりづらい」と、手袋なしで採血や注射をする医療者も多く、不慣れな研修医や看護師は、「うまくいかないなら手袋を脱いでやってみろ」と先輩医師に小突かれることもあるのが実情だ。
エボラ患者のケアも、もちろん、こうした「標準的予防策」のプロトコールにのっとって対応されていたはずである。
着慣れない防護服の適切な着脱は、一般の人が思う以上に難しい。
世界最高水準の感染症対策と医療設備を誇るアメリカにおいてすら、医療者が感染した。
この国で防げなかったものを、他のどの国で防ぐことができるのか。
エボラ出血熱、日本で発生したらどうなる?
10月17日(金)15時22分配信
日本でエボラ出血熱に感染した人が出たらどうするのか。
どこで治療するのか。薬はあるのか。調べました。
■45ある指定施設に運ばれて治療
日本でエボラ出血熱に感染した人が出た場合、全国に45ある指定施設に運ばれて治療を受けることになります。
■治療薬は開発段階 治療を受ける施設はありますが、治療薬はまだ開発段階です。
国内では、新型インフルエンザ用に日本で開発された薬がエボラ出血熱にも効くのではといわれており、これを投与することも検討されています。
それ以外にも血清療法などがアメリカでは試みられていて、効いたともいわれていますが、実際のところはよくわかりません。
■診察の手引きはあるけど 今年3月、厚生労働省の研究班によって診察の手引をまとめられました。 防護服や医療用の保護眼鏡・高密度マスクなどを身につけ、手袋も2重にするなど、医療従事者の装備についても定められています。
しかし、その後西アフリカで爆発的感染者が出たことで再度見直しが進められています。
エボラ「あと60日が勝負。負ければ人類が敗北」 国連が悲壮な訴え
このレース、エボラが先を行っている
国連のエボラ出血熱対策チーフ、アンソニー・バンバリー氏が14日、NYであった国連安全保障理事会に西アフリカからテレビ中継で参加し、「エボラ出血熱を今止められなかったら、世界は完全に未曽有の事態になる」と警告しました。
また、エボラとの闘いをレースに例え、「(エボラは)我々より先を行き優勢だ」とし、12月までの60日間が闘いになると語りました。
この60日間は、感染者の70%を療養施設に収容し、死亡者の70%を二次感染なく埋葬しなければ、感染拡大は止まらないとしています。
このため西アフリカなどの現場では複雑なオペレーション(対策)が必要とされており、「そのうち一つにでも失敗すれば、我々は敗北する」と強調しました。
死者数4493人に
世界保健機関(WHO)は15日、西アフリカで、疑い例を含む感染者数が8997人、死者数が4493人に達したと発表。
医療従事者の感染者数は427人で、236人が死亡したといいます。
エボラ出血熱の感染率は下がってきており、一部地域では拡散が抑止できているものの、米では医療関係者で2人目の感染が確認されるなど予断を許さない状態が続いています。
映画アウトブレイクを思い出しました。
エボラ出血熱は過去最大のアウトブレイクの様で、なんとも恐ろしい事になって来ました。
2014年8月8日、WHOが公衆衛生上の
「Extraordinary event (緊急事態)」を宣言した西アフリカのエボラウイルス感染症のアウトブレイク(通常発生しているレベル以上の感染症の増加)。
8月9日現在、4カ国で1848人が感染(感染例+疑い例)し、1013人が死亡(致死率55%)しています。
過去最大級のエボラウイルスによるアウトブレイクはどうして起きたのか?
ビジネスパーソンは何に気をつけておくべきなのでしょうか?
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