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朝日新聞は「民意軽視の政治問い続ける」との長典俊・ゼネラルエディターの論文を掲載。「憲法に抵触する疑いが強い法制だ。成立してもなおその是非を問い続ける」とした。
毎日新聞は小松浩・論説委員長が「国家の過ちに謙虚であれ」の見出しで、「国民の支持のない自衛隊の海外派兵はあってはならない」と指摘。
東京新聞は深田実・論説主幹が「不戦の意志貫こう」とし、憲法9条の条文を添え、「法律が成立しても国民多数が望まぬなら不用にできる」と訴えた。
読売新聞は田中隆之・政治部長が「戦禍を防ぐ新法制」として、「強大化する中国と向き合い、必要最小限の抑止力を維持できるようになる」と評価。
産経新聞も「視点」で、「中国の脅威 抑止力強化」の見出しで成立を評価し、「自国存立のために集団的自衛権を行使できるようにするのは当然だ」とした。
各地の反対デモの取り上げ方も、5紙で分かれた。
最大規模となった8月30日の国会周辺での反対デモ。
朝日、毎日は翌31日付朝刊で1面2番手の扱いを含め3ページにわたり掲載。
朝日の長ゼネラ ルエディターは「カウンターデモクラシーの萌芽(ほうが)の動きとして注目すべき事象と判断した。
しかし、「反対」だけに焦点をあてるのではなく、人々を 街頭へと突き動かしたものはなにか、を考えるという視点から記事の構成を考え、紙面扱いを判断した」とした。
東京は31日付朝刊1面トップをはじめ、6ページにわたり全国のデモを紹介。
参院特別委の中央公聴会を報じた9月16日付朝刊では、学生団体「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー奥田愛基さんの発言を全文掲載した。
3紙は積極的に各地の反対デモを取り上げた。
読売は8月31日付朝刊社会面で、29日にあった賛成デモと併せて反対デモを紹介。
9月17日付朝刊社会面で「デモ国会周辺緊迫 寝そべり 通行妨害」の見出しで、デモの主催者発表と警察集計の参加人数の開きを指摘し、60年安保闘争のデモに参加した大学名誉教授の「当時は安保改定が何なのかよく分からないままデモに加わったが、のちに必要だと理解できた」との談話を添えた。
読売新聞グループ本社広報部は「記事掲載の経緯や判断は従来お答えしていませんが、安保関連法案をめぐる抗議行動など様々な動きは、紙面で適切に報じています」としている。
産経は8月31日付朝刊社会面で「SEALDs(シールズ)」の分析記事を掲載。公安関係者の見方や共産党の機関紙・赤旗が大々的に掲載した経緯に触れ、「実態は不明な部分もある」と書いた。
産経新聞広報部は「個別の記事や特定の記事に関することはお答えできません」としている。
各紙の論調やデモの扱いの違いについて、慶応大の大石裕教授(ジャーナリズム論)は、新聞が果たす役割が論説や解説へ移っている点に着目する。
「スマホに最新のニュース一覧が並ぶ時代に新聞も様変わりを求められ、論調の違いが最大の個性になった。
記事の切り口や扱いは社の論調に影響されやすく、メディア環境の変化が二極化に拍車をかけた」と話す。
フィリピン
南シナ海の領有権問題で中国と激しく対立しているフィリピンは、デル・ロサリオ外相が歓迎。そのうえで、「日本との戦略的パートナーシップを強める様々な取り組みを期待する。地域の平和と安定、国際社会の繁栄という共通の目的に大きく寄与する」とした。(ハノイ)
オーストラリア
ターンブル新首相が誕生したばかりのオーストラリアも歓迎姿勢だ。アンドリュース国防相は19日、豪州が進める次期潜水艦導入計画との関係に言及。「日本の国防政策の改革は、日豪間の国防・安保協力をさらに強めるもので、それには潜水艦の競争評価プロセスへの参加も含まれる」とした。(シドニー)
中国
一方、中国外務省は19日未明、外交ルートを通じて日本側に対し「歴史的原因から日本の軍事動向には強い関心がある」との立場を伝えた。国防省は同日、「日本の平和憲法の制限を打ち破るものだ」と批判。日本が「軍事同盟を強化し海外派兵を強化しようとしていることは、日本の民衆と国際社会の強烈な憂慮を招いている」と懸念を表明した。(北京)
韓国
韓国は外交省報道官が「戦後、一貫して維持してきた平和憲法の精神を堅持し、地域の平和と安定に寄与するよう、透明性をもって推進すべきだ」との論評を発表。その中で「韓(朝鮮)半島の安全保障及び、我々の国益と関連した事案については、我々の要請や同意のない限り、集団的自衛権の行使は認められないことを改めて明確にしたい」とした。(ソウル)
以上。
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